不動産を売却する場合には、いろいろなことを考慮に入れる必要がありますが、その一つがアスベストです。アスベストは石綿とも呼ばれますが、繊維状鉱物のことです。電気絶縁性・耐火性・耐熱性・防音性などに優れていたので、建築材料としてよく使われていましたが、発がん性があるなど、健康被害をもたらすことが分かったので、今では使用は禁止されています。今は使われていないアスベストですが、むかしに建てられた建築物には使われている可能性が高いです。
築30年くらいのマンションなんかはたくさんありますが、それくらいの建物だと使われていても全然不思議ではありません。このような石綿が使われているかもしれない不動産は、そのまま売却してもいいのでしょうか。答えはイエスで、売却しても問題ありません。解体工事などをする場合には、石綿使用の調査分析・報告が義務付けられていますが、売却の場合は調査・分析は義務にはなってないです。
ただし、古い建物で石綿が使用されている可能性がありそうな物件を売却する場合に、石綿の有無が不明ということになると、買い手への印象が悪くなってしまうのは否めません。それが原因で買い手がなかなか見つからなくなることもありえます。また、アスベストの調査・分析がなされていないことを理由に、値引きを要求されることもあります。このように、調査をしていないと色々と不利になることがあるので、不動産売却の前にアスベストの分析調査をやっておくといいかもしれません。